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2015 年度 実施状況報告書

微小リン酸カルシウム結晶が心腎連関に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 15K15314
研究機関自治医科大学

研究代表者

金田 るり  自治医科大学, 医学部, 准教授 (70465029)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード心腎連関 / 微小リン酸カルシウム結晶 / 心筋障害 / 遺伝子発現変化
研究実績の概要

心筋細胞に対する微小リン酸カルシウム結晶(Calciprotein particle:CPP)の直接障害を検討した。心臓リモデリングの際に重要と考えられるmonocyte chemoattractant protein 1 (Mcp1), osteopontin (Opn) などの遺伝子発現変化を指標にCPP刺激の至適濃度と刺激時間を決定できた。新生仔ラット培養心筋細胞において、CPP 5μl/ml、24時間刺激で、Mcp1, Opn のmRNAレベルの発現亢進が認められたため、同条件でDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、CPP刺激により、1/2以下に発現が低下する遺伝子で有意とされるパスウェイとして、“Electron_Transport_Chain” や “Striated_Muscle_Contraction” が抽出された。当該実験結果は、CPPが心筋細胞の電子伝達系や筋収縮に影響を与えることを示唆する知見である。
心臓線維芽細胞の培養上清を添加した心筋細胞では、CPP刺激前のベースラインのMcp1やOpnの遺伝子発現レベルに変化がみられた。ベースラインの心筋細胞の性質を変化させることで、CPP刺激に伴う心臓リモデリング過程を修飾している可能性が示唆された。現時点では、心臓線維芽細胞の培養上清に含まれる因子が、ストレスに対する防御反応として影響するのか、相乗的な増悪因子として寄与するのかは明らかではない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

心筋細胞におけるCPPの刺激濃度や刺激時間の決定、網羅的遺伝子発現解析などは、予定通りの進捗である。
CPPによる心筋細胞障害時における核のクロマチン構造に及ぼす影響については、刺激の有無によるヒストンH3リシンK9トリメチル化(H3K9me3) の核内局在の変化を過酸化水素刺激と対比しながら、免疫染色により検討している。現時点で特定のパターンを検出するには至っていない。刺激条件を振り、実験回数を重ね、再検討していく予定である。

今後の研究の推進方策

上記のごとく、CPP刺激に伴う心筋細胞の核内クロマチンの局在変化について、特定のパターンを検出するには至っていない。また、過酸化水素刺激に伴う細胞死をremodelin が救済可能か否か、H9C2細胞を用いて予備的検討を行ったが、使用濃度の範囲では救済できなかった。立案当初の予定通りには進まない可能性があり、(1) CPP刺激により発現変化の認められた遺伝子近傍に限定し、ヒストン修飾の変化を検討する、(2) remodelin ではなく、ヒストン修飾酵素阻害薬によって、CPPによる細胞障害救済効果が得られるか否か、適宜実験計画を修正しながら、検討を続ける。

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公開日: 2017-01-06  

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