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2015 年度 実施状況報告書

肺組織幹細胞ニッチにどこまで迫ることができるか

研究課題

研究課題/領域番号 15K15323
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

別役 智子  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60333605)

研究分担者 Hegab Ahmed  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00507915)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード肺上皮幹細胞 / stem cell
研究実績の概要

中枢気道、末梢肺組織からの組織幹細胞の自己増幅能、分化能の評価系の確立することに成功した。中枢気道においては、基底細胞(basal cells)が組織幹細胞として同定されている。その分離法、培養系を確立した分担研究者Hegab博士を中心に、中枢気道幹細胞系の技術を応用し、末梢肺組織に適した培養系、評価系の確立を行った。末梢肺上皮細胞分離については、中枢気道と同様にdispase を用いて細胞を単離し、AutoMacsシステムを用いてCD45、およびCD31陽性細胞(血球系細胞、血管内皮細胞)を除去したのち、MoFlo sorter (Beckman Coulter)を用いて、EpCAM陽性の上皮細胞を選択する方法を選択した。これまでの興味深い知見として、中枢気道由来幹細胞のコロニーが均一な球形であることと対照的に、末梢肺上皮細胞からは、2週間培養後に形態学的に異なる3種類のコロニーが形成されることを明らかにした。我々がType Aと称するコロニーは、直径が100ミクロン以上の比較的大きい球形で、1~3層の薄い細胞層で成り立ち内腔が大きい。Type Bコロニーも大型であるが、細胞層は厚く不均一で小葉構造を呈し、内腔は狭い。Type Cコロニーは小型で円形または楕円形を呈し内腔は狭いか有さない。これらのコロニーに対して、従来のコロニー数、直径だけではなく、コロニーの質的評価が必須である。そこで、肺組織幹細胞から派生した分化に応じたさまざまなマーカーを用い、分化能を評価している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究環境、研究者の充実と協力体制が整ったことによる。具体的には、マウスの中枢気道、末梢肺組織からの組織幹細胞の自己増幅能、分化能の評価系の確立することに成功した。中枢気道においては、基底細胞(basal cells)が組織幹細胞として同定されている。その分離法、培養系を確立した分担研究者Hegab博士を中心に、中枢気道幹細胞系の技術を応用し、末梢肺組織に適した培養系、評価系の確立を行った。研究室の細胞培養装置、遠心機などがほぼ専用として使用できる環境にある。また、4月から新規に本プロジェクトに加わった研究協力者の実験能力が高く、期待以上のスピードで成果を挙げている。

今後の研究の推進方策

今年度も、可能な限り迅速に研究を進め、論文化を図りたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Mimicking the niche of lung epithelial stem cells and characterization of several effectors of their in vitro behavior2015

    • 著者名/発表者名
      Hegab AE, Arai D, Gao J, Kuroda A, Yasuda H, Ishii M, Naoki K, Soejima K, Betsuyaku T
    • 雑誌名

      Stem Cell Res

      巻: 15 ページ: 109-21

    • DOI

      10.1016/j.scr.2015.05.005

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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