衛生仮説とは、乳幼児期に多くの感染を経験することでType I helper T (Th1) 細胞が増え、以降の過剰なTh2免疫応答であるアレルギーの発症を抑制するという概念である。我々は、Th2免疫応答を誘導する乳幼児期のrespiratory syncytial virus (RSV) 感染も衛生仮説の要素となり、後のアレルギー反応の制御に関与するという仮説を立て、検証した。結果、1週齢時にRSVを感染させたマウスではRSV非感染マウスと比較して、8週齢の時点でより強いイエダニ抗原誘導アレルギー反応がみられた。すなわち、乳児期のRSV感染が後のアレルギー反応に関与する可能性が示唆された。
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