研究課題/領域番号 |
15K15335
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
池内 健 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20372469)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アミノ酸 / 認知症 |
研究実績の概要 |
アルツハイマー病患者数の増加に伴い簡便かつ非侵襲的な診断マーカーの必要性が増している。この観点から血液を用いた診断マーカーは汎用性を有し,血液マーカーに対する期待は大きい。しかしながら,現在までにアルツハイマー病の血液マーカーの候補として報告されたものはあるが,再現性が担保され実用化にまで至ったものは未だ存在しない。研究代表者は,生体内の代謝経路の中心的な役割を果たすアミノ酸に着目し,多種類のアミノ酸の組み合わせを統計学的手法で解析することによりアルツハイマー病の診断に応用出来る可能性を本研究において探求した。NINCDS/ADRDA(the National Institute of Neurological and Communicative Disorders and Stroke and the Alzheimer's Disease and Related Disorders Association)診断基準に適合するアルツハイマー病患者36人および年齢をマッチさせた認知機能正常高齢者34人からインフォームドコンセントを所得し,早朝空腹時に血液を採取した。遠心器にて血漿を分離し,液体クロマトグラフィー・質量分析機を用いアミノ酸を含む代謝産物を測定した。5種類の代謝産物がアルツハイマー病群と対照群で有意な差を示した。その内の1種類の代謝産物は,ミニメンタルステイト検査(MMSE)得点と有意な相関を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画にそって疾患群と対照群の血漿中のアミノ酸分析が進行しており,幾つかの有意な変動を検出している。成果に基づいた学会発表を積極的に進めている。研究を進める上で,大きな支障はない。
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今後の研究の推進方策 |
患者と対照群の血液を用いた横断的な解析により差がみられた代謝産物に関して,再現性を得るとともに,縦断的な解析を行う必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度当初の予定より少ない臨床検体サンプルの解析を実施したため,本年度の支出が予定よりも少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に臨床検体サンプルの解析を追加して実施する。
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