研究課題
Human alpha skeletal actin(Acta1)をプロモータとしてCreリコンビナーゼ遺伝子を発現するActa1-Cre TgマウスとHMG-CoA還元酵素(HMGCR) floxedマウスを交配して作成した骨格筋特異的HMGCRノックアウトマウス(mKOマウス)の解析を行った。EGFRにGFPを融合させた蛋白を発現するプラスミドをin vivoにてエレクトロポレーションで遺伝子導入し過剰発現させ,そのライソゾームによる分解能を評価した。しかしながら、対照群とmKO群で差を認めなかった。ライソゾーム酵素の一種であるカテプシンD・Lのウエスタンブロットによる成熟度合いの評価ならびにカテプシンDの酵素活性の測定を行ったところ、対照群と比してmKO群で上昇していた。次に対照群のマウスとmKOマウスの骨格筋から,ライソゾームを単離し,これを用いてカテプシン酵素活性の測定を行った。この解析でもmKO群で上昇していた。タンパク生成後の時間経過に応じて色調の変化する「Timer」蛋白をライソゾームマーカー「Lamp2」と融合させ,in vivoにおいて発現させ,ライソゾームのturn overをマウス前脛骨筋で評価したが,これは特に差を認めなかった。以上より,mKOマウスにおけるライソゾームの機能は低下ではなく,亢進しており、mKOマウスでのオートライソゾームの増加ならびにp62の増加は,オートファジー亢進ならびにアミノ酸の増加によるRagを介したp62の産生亢進によるものであることが明らかになった。
2: おおむね順調に進展している
HMGCR KOマウスの骨格筋ではオートファジーが誘導されていること、オートライソゾーム形成の増加が確認できている。
現在使用しているHMGCR KOマウスは生後すぐからHMGCRを欠損しているため、結果をみているのか、原因を見ているのかが明確でなかった、そのため、今後は時間特異的にHMGCRの発現を制御できるDoxycycline(Dox) inducible Acta1-Cre TgマウスとHMGCR floxマウスを交配する。骨格筋特異的HMGCR KOマウスにおける筋障害のタイムコースを評価する。
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Biochem Biophys Res Commun.
巻: 466(3) ページ: 536-540
10.1016/j.bbrc.2015.09.065.
http://www.u-tsukuba-endocrinology.jp/