研究課題
本研究では、「短鎖脂肪酸はGPR43を介し白色脂肪細胞のブラウニングを誘導、抗肥満効果を発揮する」という仮説を証明することを目指しており、ブラウニング誘導機序の解明とブラウニング誘導へのGPR43シグナルの関与を明らかとする。本年度は以下の①および②について検討を進めた。①高脂肪食条件下に、酢酸塩および酪酸塩を含む飲用水、あるいはこれらを含まない飲用水を、GPR43ノックアウトマウスおよび対照マウス(C57BL/6マウス)に経口投与し、それぞれの動物より内臓脂肪(VAT)を単離、内臓脂肪重量およびブラウニング関連遺伝子のmRNA発現をreal time-RT-PCR法を用いて解析した。②GPR43ノックアウトマウスおよび対照マウス(C57BL/6マウス)の内臓脂肪組織より単離した初代培養脂肪細胞を、酢酸塩および酪酸塩含有メディウム、あるいは対照メディウムで刺激し、ブラウニング関連遺伝子のmRNA発現をreal time-RT-PCR法にて、重要な分子については蛋白発現をウエスタンブロット法を用いて解析した。
3: やや遅れている
当初の予定では、短鎖脂肪酸による BrowningがUCP1依存性であるかどうかの検討や、非UCP1依存性のBrowning現象の解析等まで研究が進捗しているべきであった。熊本地震が発生し研究施設に被害が発生し一時各種実験を中断せざるを得なかった。また2016年年末に医局移転もあり、この際にも実験を中断せざるを得なかった。これらの理由で、施設内で行う動物実験および初代培養細胞へのsiRNA導入実験等が進められなかったため。
実験施設の改修も進み、実験を円滑に進めることが可能となっており、遅延の明らかな実験系に人員を増員するなどして、実験を進めていく。
本年度使用使用できなかった額は少額(2,894円)であり、実験に必要な試薬等の必要物品購入には不足したため。
少額(2,894円)の次年度使用額は、次年度助成金と合わせ、必要物品等の購入に当てる。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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