研究課題/領域番号 |
15K15352
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
箕越 靖彦 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 教授 (10200099)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ストレプトゾトシン / 1型糖尿病 / Myokine |
研究実績の概要 |
AMPキナーゼ(AMPK)は、細胞内のエネルギー枯渇を感知して活性化するキナーゼであり、近年、肥満・糖尿病の分野で注目されている。応募者は、骨格筋選択的dominant negative-AMPK発現マウス(DN-AMPK Tg)にストレプトゾトシン(STZ)を投与すると、血中インスリン濃度は低値であるにも関わらず、糖尿病(STZ糖尿病)による高血糖、高脂肪酸血症、高ケトン体血症などの代謝異常が改善し、致死率が劇的に改善することを見出した。本研究では、STZ糖尿病の代謝異常が、インスリン欠乏だけでなく、骨格筋から分泌されるmyokine及びmyokineを起点とする他臓器間相互ネットワークの異常に起因すると考えに立ち、当該myokineを同定し、その機能を明らかにすることを目的とする。これまでの研究及び本研究において、IL-6、irisin、Meteorin-like、IGF-1、などが候補として見つかった。また、持続活性型AMPK、AMPKに対するshRNAを発現させたC2C12骨格筋細胞株を各々樹立し、cDNAアレイ解析からもいくつかの候補因子が見つかった。これらの因子のいくつかは、STZ糖尿病においてAMPKが活性化することにより発現が上昇する因子(IL-6、irisinなど)の他に、発現が低下するものが存在した。今後、これらの因子、あるいは抗体をマウスに投与することにより、STZ糖尿病の代謝異常に及ぼす効果を調べる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
myokineとして知られる既知因子、及び持続活性型AMPK、AMPKに対するshRNAを発現させたC2C12骨格筋細胞株のcDNAアレイ解析から、STZ糖尿病において、AMPKが活性化することにより発現が上昇する因子、発現が低下する因子を発見した。それらの因子の中に、糖・脂質代謝を制御すると考えられる候補因子も存在した。本年度は、これらの因子とその抗体をSTZ糖尿病マウス、STZ糖尿病-DN-AMPK Tgマウスに投与することにより、STZ糖尿病の代謝異常に及ぼす効果を調べる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で見出した因子、およびその抗体を、STZ糖尿病マウス、STZ糖尿病-DN-AMPK Tgマウスに投与し、STZ糖尿病の代謝異常に及ぼす効果を調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額21980円は、3月末に出張旅費として使用したが、会計処理の都合上、4月の支払いとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
4月上旬に支払いを終了した。
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