本研究は、ホルモン依存性癌増殖・進展におけるミトコンドリアの新たなる役割を明らかにする目的で、イメージング・オミックス解析をはじめとする新技術を活用しミトコンドリア関連遺伝子の機能解析を行い、癌の診断・治療・予防のための新規分子標的の探索をめざした。特に、独自に発見したミトコンドリア蛋白質COX7RP等のエストロゲン応答遺伝子に注目し、乳癌細胞、子宮内膜癌細胞および癌組織での発現とその制御機構の詳細を示した。これらの因子、代謝経路の役割を示し、患者由来の臨床病理解析により、診断標的としての価値を明らかにし、動物モデルでの検討により、治療標的としての可能性を示した。
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