研究課題
これまでの研究でEBウィルス関連リンパ腫における腫瘍ニッチの形成に腫瘍由来エクソソームが重要な機能を持つことを示してきた。エクソソームは細胞外小胞であり、液性因子の一つである。欧米においては、HIV感染症において、患者血液中に含まれるHIV感染細胞由来エクソソームをエクソソーム吸着膜と体外循環を用いて、除去する試みが治験レベルで行われ、安全性は確認された。そこで、現在有効な治療法がみとめられないEBV関連リンパ腫において、腫瘍由来エクソソームを除去することが有効な治療法になり得るのか否かを検討するために研究を行った。EBウィルスは霊長類の一部にしか感染しないため、EBウィルスの感染するB細胞をヒト化するために、NOGマウスを造血ヒト化を行う必要がある。マウスでは体外循環が確立されていないため、まず、エクソソームの希釈効果をパラビオーシスを用いて検討した。EBV感染リンパ腫NOGマウスと何も処理を行っていないNOGマウスをパラビオーシスを用いて皮膚を吻合し二匹のマウスの間で体液交換を行った。これにより、担癌マウス由来エクソソームは2倍に希釈される。その結果、予想に反して、担癌マウスと担癌マウスのペア、正常マウスと正常マウスのペアに比して、担癌マウスと正常マウスのペアが吻合後1週間という早期に死亡する現象を認めた。この現象の機序を今後検討していく予定である。
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JCI Insight
巻: 1(8) ページ: e86646
DOI: 10.1172/jci.insight.86646