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2015 年度 実施状況報告書

病変組織に沈着した免疫複合体の網羅的解析法の開発と自己免疫疾患の組織解析への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K15373
研究機関長崎大学

研究代表者

大山 要  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (50437860)

研究分担者 川上 純  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90325639)
中村 英樹  長崎大学, 病院(医学系), 講師 (10437832)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード免疫複合体
研究実績の概要

自己免疫疾患では血液中を循環する免疫複合体が組織に沈着し、炎症と組織障害を起こすと考えられてきた。しかし、「どのような自己抗原を含む免疫複合体が病変組織に沈着しているのか」を調べるには、自己抗原候補を1つ1つ対応抗体で免疫組織染色するしかなく、探索効率が非常に悪い。そのため、ほとんどの疾患で沈着免疫複合体の自己抗原は特定されていない。本研究では、沈着免疫複合体を形成する自己抗原と自己抗体を組織から抽出した後、免疫複合体を再構成させ、免疫複合体中の自己抗原を独自解析法で同定する、「沈着免疫複合体の網羅的解析法」を完成させる。
平成27年度は、病原性の免疫複合体が組織に沈着し得るのかについて検証した。先の研究で関節リウマチ特異的な免疫複合体抗原として特定したトロンボスポンジン-1が患者関節組織に沈着しているのか調べたところ、患者組織への特徴的な集積が認められた。一方、トロンボスポンジン-1刺激に対する滑膜線維芽細胞からのtransforming growth factor-beta1、interleukin-6、vascular endothelial growth factorの産生の亢進は認められなかった。このことから、免疫複合体を形成していないトロンボスポンジン-1では、炎症が亢進しないことがわかった。来年度以降は、1)自己抗原と自己抗体を賦活化し、これらが試験管内で免疫複合体を再構成する条件を明らかにする、2)固定化組織試料から自己抗原および自己抗体を効率よく抽出できる条件を明らかにする、3)IgA 腎症の病変組織をモデルとして、既知の自己抗原が本法で検出できるかを明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

先に同定したトロンボスポンジン-1が患者組織に沈着していることが判明し、免疫複合体の病原性の一端が明らかとなった。

今後の研究の推進方策

1)自己抗原と自己抗体を賦活化し、これらが試験管内で免疫複合体を再構成する条件を明らかにする。
2)固定化組織試料から自己抗原および自己抗体を効率よく抽出できる条件を明らかにする。3)IgA 腎症の病変組織をモデルとして、既知の自己抗原が本法で検出できるかを明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は本研究の基礎知見となる実験を先行して行ったため、予定していた研究用物品の購入に至らなかったため。

次年度使用額の使用計画

次年度は本研究におけるタンパク質同定の高感度化を目的とした、質量分析装置の購入資金の一部に充当する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Upregulation of thrombospondin-1 (TSP-1) expression in synovial tissues and plasma of rheumatoid arthritis (RA): Role of transforming growth factor-beta1 toward fibroblast-like synovial cells.2015

    • 著者名/発表者名
      T. Suzuki, N. Iwamoto, S. Yamasaki, A. Nishino, Y. Nakashima, Y. Horai, S. Kawashiri, K. Ichinose, K. Arima, M. Tamai, H. Nakamura, T. Origuchi, C. Miyamoto, M. Osaki, K. Ohyama, N. Kuroda, A. Kawakami
    • 雑誌名

      Journal of Rheumatology

      巻: 42 ページ: 943-947

    • DOI

      10.3899/jrheum.141292

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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