近年、感染症と考えられていなかった疾患への微生物の関与が明らかになりつつある。本研究では免疫複合体が関与するとされる糸球体腎炎を対象として、免疫複合体を形成する溶連菌抗原の検出法を確立することを目的とした。検出系の作成にあたりまずモノクローナル抗体の作成を行ったが、現在までに本検出系で利用可能な抗体は得られていない。免疫原を工夫し現在も継続している状況である。また、ヒト血清を用いて溶連菌に対する抗体価の測定を行ったところ、IgG、IgAが健常人に比較してIgA腎症で高い結果が得られた。検出法に関してはサルコイドーシス研究で既に成功しており、有用な抗体ができれば応用が可能であると考えられる。
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