プリオン蛋白質は、肺にも発現する。我々は、プリオン蛋白質欠損マウスがA型インフルエンザウイルスに感染すると高い死亡率を示すことを見出した。欠損マウスの肺内の活性酸素種は高く、肺上皮細胞はアポトーシスを起こしていた。活性酸素種スカベンジャーを投与すると、ウイルス感染による欠損マウスの死亡率が改善された。欠損マウスの肺内の銅イオン及び銅/亜鉛依存性スーパーオキシドジスムターゼ活性は低下していた。以上の結果は、プリオン蛋白質が銅イオンの調節を介して銅/亜鉛依存性スーパーオキシドジスムターゼを活性化し、活性酸素種による肺上皮細胞のアポトーシスを抑制し、インフルエンザウイルス感染を防御することを示した。
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