研究課題/領域番号 |
15K15391
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
難波 栄二 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 教授 (40237631)
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研究分担者 |
檜垣 克美 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 准教授 (90294321)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | シャペロン / ライソゾーム病 / 変異酵素 |
研究実績の概要 |
先天代謝異常症の一つであるライソゾーム病に対し、我々は変異酵素蛋白質に特異的に結合し、構造異常を補正することのできる化合物(シャペロン化合物)を用い、変異酵素活性を上昇させるシャペロン療法の開発に取り組んできた。一方で、従来のシャペロン化合物は、基本的に酵素活性中心に結合する、基質競合阻害剤であり、高濃度で使用すると酵素阻害活性が問題となってきた。本年度、我々は、ライソゾーム酸性環境下で構造変化を起こし、不活性型に変換後、酵素蛋白質から解離する「自己不活型新規シャペロン」の開発を行った。ファブリー病とゴーシェ病で欠損しているライソゾーム酵素、α-ガラクトシダーゼとβ-グルコシダーゼを標的に、分子デザインした新規化合物を合成後、試験管内阻害活性試験により、有効な化合物をそれぞれ同定した。また、患者皮膚線維芽細胞に対するシャペロン試験により、ファブリー病とゴーシェ病細胞内で酵素活性を上昇させる効果を示す化合物を得ることができた。これらの化合物は、高濃度で細胞に投与しても、阻害活性は認めなかった。今後は、他の変異型を持つ皮膚線維芽細胞や、変異酵素cDNA発現細胞系を用い、候補化合物の有効性を示す変異型を同定する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本来のコンセプトに従い、2つのライソゾーム病に対する、有効な自己不活型シャペロン化合物の同定に成功した。また、予備的な解析では、高濃度での阻害活性が見られないことから、細胞内で自己不活型に変換しているものと思われた。今後は、これらの候補化合物の培養細胞への効果をより詳細に解析することで、新規シャペロン化合物としての有用性を示す知見が得られるものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度同定した、ファブリー病とゴーシェ病に対する自己不活型シャペロン候補化合物について、変異酵素cDNA発現細胞系を用い、シャペロン効果を示す変異型のプロファイルを明らかにする。また、ライソゾーム内の蓄積基質や、オートファジー・ミトコンドリア異常などに対する化合物の効果について検討を行い、シャペロン化合物としての有効性を培養細胞実験で証明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は新規化合物の入手など、共同研究先から可能となり、想定よりも使用額を節約することができた。
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次年度使用額の使用計画 |
新たな候補化合物の入手や測定方法の検討に費用を使用する。
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