変異酵素蛋白質結合し、構造異常を補正する化合物(シャペロン化合物)を用い、変異酵素活性を上昇させるシャペロン療法の開発を行っている。本研究では、ライソゾーム酸性環境下で構造変化し、不活性型に変換することで標的酵素蛋白質から解離する「自己不活型新規シャペロン」の開発を行った。デオキシノジリマイシン(DGJ)化合物を元に、pHにより構造変化を起こすオルトエステル基を付加した候補化合物を合成した。これらの化合物を用い、ファブリー病とゴーシェ病を対象に試験管内および培養細胞を用いた検討を行った。その結果、当初のコンセプト通り、高濃度使用時にも酵素阻害活性を示さない、それぞれ疾患への化合物を同定できた。
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