研究課題/領域番号 |
15K15393
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研究機関 | 地方独立行政法人福岡市立病院機構福岡市立こども病院(臨床研究部) |
研究代表者 |
原 寿郎 地方独立行政法人福岡市立病院機構福岡市立こども病院(臨床研究部), 臨床研究部, 院長 (40150445)
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研究分担者 |
高田 英俊 九州大学, 医学研究院, 教授 (70294931)
山元 裕之 九州大学, 環境発達医学研究センター, 特任助教 (00710170)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 遺伝子治療 / 人工ヌクレアーゼ |
研究実績の概要 |
平成28年度、正常ヒト臍帯血由来CD34陽性細胞を用いたコロニーアッセイにおいて、原因遺伝子であるBTK遺伝子を標的として、アデノ・アデノ随伴ウイルスハイブリッドベクターとターゲット遺伝子領域で特異的なDNAの2本鎖切断を起こす人工ヌクレアーゼであるCRISPR-Cas9発現プラスミドを導入することで、高効率な遺伝子ターゲティングを認めた。しかしながら、CRISPR-Cas9発現プラスミドは、CD34陽性細胞に対して細胞毒性が強く、導入時に多くの細胞死を伴った。このことを改善するため、CRISPR-Cas9の導入法を再検討した。CRISPR-Cas9は、ガイドRNAとCas9タンパク質の二つの異なる分子で構成される。標的遺伝子配列特異的なガイドRNAをin vitro で合成して、このガイドRNA と Cas9 タンパク質をエレクトロポレーション法にて正常ヒト臍帯血由来CD34陽性細胞に導入を行った。結果、プラスミドに比べて、細胞毒性を低く抑えることができた。この導入法は、CRISPR-Cas9 のオフターゲット効果を軽減することができると言われており、臨床応用に適しているものと考えられる。疾患に対する治療効果を得るためには、さらなる遺伝子ターゲティング効率の改善が必要と考えられたため、CRISPR-Cas9と同時に用いることで、遺伝子ターゲティング効率の上昇が報告されている小分子化合物、数種類を加えた実験を行った。結果、そのうちのひとつの小分子化合物を加えると、効率の上昇を認めた。CRISPR-Cas9のオフターゲット効果を調べることで安全性の評価を行った。
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