研究課題/領域番号 |
15K15401
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松田 直 東北大学, 大学病院, 准教授 (50361100)
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研究分担者 |
齋藤 昌利 東北大学, 大学病院, 助教 (00451584)
北西 龍太 東北大学, 大学病院, 助手 (20436116)
埴田 卓志 東北大学, 大学病院, 助手 (30400360)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ヒツジ / 胎仔 / 胎児仮死 / 胎児機能不全 / 蘇生 / 新生児遷延性肺高血圧 / 人工胎盤 / 適応障害 |
研究実績の概要 |
出生時の適応不全によって胎児循環に陥った新生児に,われわれが開発したポンプレス人工胎盤システムを装着させて循環管理すれば,人工呼吸に頼ることなく速やかに蘇生できることを,ヒツジ胎仔を用いた動物実験で実証する. 妊娠140日の胎仔を対照群,人工換気群,人工胎盤群の3群に分け,対照群には急性低酸素を負荷せず,人工換気群ならびに人工胎盤群では急性低酸素による遷延性肺高血圧を誘導した後,それぞれの方法で蘇生と集中治療を実施する.生後24時間に剖検し,生理学的ならびに組織病理学的パラメータを3群間で統計学的に比較することによって,ポンプレス人工胎盤システムを装着させて循環管理すれば,人工呼吸に頼ることなく速やかに蘇生できることを実証する. ヒツジは秋に妊娠して春に出産する.そのため今シーズンの実験は12月に1回,1月に1回,4月に4回の合計6回計画した (現在3回目を実施中).初回は対照群で,帝王切開とその吸入麻酔による影響からsleeping babyに陥り,呼吸適応障害 (二次性呼吸窮迫症候群) を発症した.2回目は人工胎盤群で,低酸素負荷後に人工胎盤システムで酸素化の改善は得られたが,同様の呼吸適応障害を発症した.3回目は対照群で,妊娠日齢を145日まで延長させ,帝王切開は少量の静脈麻酔だけで行ったところ,呼吸適応障害を回避することに成功した.4-5回目は同様に改善して人工呼吸群とする予定である.6回目は同様の改善点に加えて,PGE投与によって人工胎盤システム作動時間が延長されるかどうかも検討する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定どおり,今シーズン中に6例,各群2例ずつのデータが得られる見込みである.
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今後の研究の推進方策 |
来シーズンも6例,各群2例ずつのデータを採取し,各群合計4例で生理的・組織学的パラメータを統計学的に解析する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
6回の実験の内,4回が平成28年4月にずれ込んだため.
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次年度使用額の使用計画 |
ずれ込んだ4回分の費用のうち未払い分を,平成28年度内に支払う予定.
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