出生前の急性低酸素によって遷延性肺高血圧に陥ったヒツジ新生仔に,ポンプレス人工胎盤を装着すれば,人工呼吸に頼ることなく蘇生できることを実験的に検証した.蘇生方法によって対象を対照群(n=3),人工換気群(n=3),人工胎盤群(n=3)に分け,蘇生後24時間に必要とされた人工換気時間を3群間で比較した.人工換気時間(平均±SEM)は対照群3.0±3.0,人工換気群12.3±3.4,人工胎盤群6.0±6.0と人工換気群で長く,人工胎盤群と対照群の間に差はなく,人工胎盤群3例の内2例は人工換気を必要としなかった.以上より,ポンプレス人工胎盤が有効な新生児蘇生システムである可能性が示された.
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