研究課題
骨盤底をモデルとして男性ホルモン依存的な筋肉発生機構と近傍に存在する胎児間葉細胞の機能を解明した。網羅的解析により転写因子Sall1陽性の胎児骨盤部の間葉細胞が男性ホルモン依存的筋肉発生に必須であることを示した。この間葉細胞をGFPマーカーを指標として胎児より精製し、間葉細胞から筋芽細胞に作用する候補シグナルを検索した。その結果Bmp(骨形成因子)を含む複数の因子系が示唆された(投稿準備中)。これらのシグナル伝達系におけるミュータントマウスを解析中である。次に骨盤部のSall1陽性細胞を分離し、未分化な間葉細胞の培養系を樹立しつつある。このような細胞を利用し、アンドロゲンに応答する骨盤部筋肉の発生系、その系を用いた筋肉の再生に向けて、explant cultureを樹立した。同間葉細胞はDHT存在下に我々が開発した条件下において骨芽細胞、更にCD31及びペリサイトを含む細胞に分化した。更に骨盤部を用いて解析を行った所、雄において顕著なペリサイト細胞分化の存在も判明しつつある。近年男性ホルモン依存性のペリサイトの関与が血管構造に富む海綿体の形成に重要である事が示唆されつつある。今回の知見は、我々が着目する会陰部Sall1陽性間葉細胞が筋肉系のみならずこのようなアンドロゲン依存性の血管系形成にも寄与する事を示唆しており興味深い知見と考えられた。会陰部においては陰茎脚を含む、勃起支持組織が知られている。しかしながらその形成メカニズムは解明されていない。更に同間葉細胞を介した筋肉系ならびに男性ホルモン依存性の血管系の制御に関する進展が期待される。
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