水疱性類天疱瘡(BP)は高齢者に好発する自己免疫性水疱症で、主な標的抗原は表皮真皮境界部に存在する17型コラーゲン(COL17)である。BPでは免疫抑制剤の全身投与が一般的だが、重症化すると死に至る症例も稀でない。従って副作用の少ない疾患特異的な治療法開発が必須である。本研究では、BPの患者自己抗体の多くがCOL17のNC16A領域(77アミノ酸)を標的とする点に着目し、NC16A領域ペプチドをマウスへ経口投与した。その結果、抗原ペプチドの経口投与によって抗COL17の自己抗体産生が抑制される傾向が確認された。本研究結果は、将来、BPに対する新規治療法開発へ応用されることが期待できる。
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