研究課題/領域番号 |
15K15411
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
松岡 悠美 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10402067)
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研究分担者 |
松江 弘之 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10250424)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 皮膚免疫・炎症学 |
研究実績の概要 |
尋常性乾癬患者と健常者よりサンプルを採取するために倫理委員会の承認を得た。解析について、研究協力者より助言を得たため、当初の予定症例数10名以上という点を変更し患者及び健常者がそれぞれ20名を超えた時点でサンプル処理を行うように計画を変更した。本年度は得られたサンプルの情報を蓄積するため、患者末梢血のIL-17産生細胞およびIFN-g産生細胞につきフローサイトメトリーを用いて解析を行った。乾癬患者末梢血は健常人と比較し、IL-17細胞の分画の優位な上昇が認められた。IFN-g産生細胞の分画には優位な差を認めなかった。また、現在並行して行っている他研究の結果と、これまでに明らかとなった最新の論文を含め文献学的検討を行ったとことろ、ファージゲノムは皮膚サンプルから抽出し直接解析するよりも、皮膚細菌叢解析結果を参照の後、ターゲットとなる細菌の特定を行った後、全ゲノムからファージ関連遺伝子を比較する方法が最適であることがまず乾癬患者と健常人の各部位における細菌叢の比較解析を行った後、標的ファージのファージのサンプル中の解析を行うよう計画を変更した。細菌叢解析のサンプルも末梢血解析患者より同時に採取し、凍結保管を開始している。乾癬患者における皮膚でのIL-17細胞の浸潤様式なども解析する可能性を考え、生検皮膚組織を用いてIL-17産生細胞について検討を行い、IL-17産生細胞が乾癬患者病変部ひふで優位に増加していることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要にもある通り、並行して行っている他研究より得られた知見をいかし、より効率的に研究を推進するため、予定症例数の検体が集積されてから、検体の解析に着手するように変更している。倫理委員会の承認に予定よりも多くの期間を有したこと、また予定解析症例数を増やしたことで研究遂行に遅延が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
技術的な難しさにより遅延が生じているのではなく、症例蓄積により多くの時間を要しているので、本年度も引き続き症例の蓄積を行い、解析に着手する予定である。また、計画の遂行順を変更し、細菌叢解析を行った後、標的になるファージウイルスを絞込みサンプル中のファージゲノム解析に着手する予定である。研究遂行にあたってはこれまで同様、研究協力者らから助言を仰いでいく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究推進に遅延が生じているため、事業期間を1年延長し本年度も引き続き解析を行っていく予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
ウイルスDNA・RNA、細菌DNA抽出とシークエンサーを用いた解析が本年度の中心となることから,この解析に関わる費用を遺伝子網羅解析用として使用する予定である。
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