研究課題
本研究の目的は2つある。目的1は、KIT変異による悪性黒色腫の新規治療標的分子を同定すること。はじめに3種(後述)のc-kitを恒常発現する無色素性メラノーマ細胞株を用いてプロテオーム解析で網羅的に比較解析をして標的分子を絞り込む。次にヒトの悪性黒色腫組織の免疫組織化学をして標的分子を同定する。申請者らは稀な遺伝性の全身性色素斑の病因遺伝子同定の研究で、臨床的に色素産生は来すが悪性腫瘍化は来さない、全く新しいタイプのKIT変異(SH3ドメインを創出する変異)を発見した。3種のc-kitとは、1つはこの新しいタイプの変異、1つは悪性腫瘍化を来す変異、そして野生型である。標的分子が同定されれば、KIT変異による悪性黒色腫の新規治療法の開発へ繋がっていく。目的2は、発見したKIT変異が本当にSH3ドメインを創出する変異か否かについて結合するタンパク質の同定とともに解明すること。悪性腫瘍化変異(c-kit p.Lys642Gluとc-kit p.Asp820Tyr)、非悪性腫瘍化変異(c-kit p.Ala829Pro)、c-kit野生型を恒常的に発現する無色素性メラノーマ由来細胞株を作成し、以下の実験1、2、3で使用した。1.プロテオーム解析でc-kit p.Ala829Proが細胞内領域にSH3ドメインを創出する変異であることを特異的に結合するタンパク質の同定とともに解明した。2.c-kit恒常発現株それぞれの増殖能をBrdU ELISAで比較検討した。3.悪性腫瘍化変異と非悪性腫瘍化変異と野生型の恒常発現株の抽出液のタンパク質発現をプロテオーム解析で比較検討し、悪性腫瘍化変異恒常発現株に特異的に発現するタンパク質群を抽出した。
3: やや遅れている
実験の実施を予定していた研究協力者の大学院生3名が、子供(幼少時)の慢性かつ手厚い保護をすべき疾病、夫の留学に伴い渡米、一身上の都合で退学などの理由により、実験に大幅な遅れが生じた。
1.50例の悪性黒色腫のパラファイン切片からDNAを抽出し、KIT変異を解析する。2.KIT変異による悪性黒色腫組織において、実験3のプロテオーム解析で抽出したタンパク質群について免疫組織化学を実施する。最後に、2で発現の認められた分子をKIT変異による悪性黒色腫の新規治療標的分子として提言する。治療標的分子は悪性黒色腫の免疫組織化学での新規診断マーカーとしても期待される。
DNAを抽出試薬、PCR試薬、免疫組織化学試薬などに使用する。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (25件) (うち国際共著 3件、 査読あり 25件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 6件) 産業財産権 (2件)
J Dermatol
巻: 43 ページ: 286-7.
10.1111/1346-8138.13204.
Br J Dermatol
巻: 174 ページ: 689-91.
10.1111/bjd.14228.
J Dermatol Sci,
巻: 81 ページ: 134-6.
10.1016/j.jdermsci.2015.10.015.
J Eur Acad Dermatol Venereol
巻: 30 ページ: 373-5.
10.1111/jdv.12797.
巻: 30 ページ: 327-8.
10.1111/jdv.12719.
J Dermatol Sci
巻: 80 ページ: 196-202.
10.1016/j.jdermsci.2015.10.003.
Lupus
巻: 24 ページ: 1214-6.
10.1177/0961203315574559.
Acta Derm Venereol
巻: 95 ページ: 872-4.
10.2340/00015555-2119.
巻: 29 ページ: 2054-6.
10.1111/jdv.12590.
巻: 95 ページ: 858-9.
10.2340/00015555-2022.
巻: 80 ページ: 74-6.
10.1016/j.jdermsci.2015.07.003.
巻: 79 ページ: 317-9.
10.1016/j.jdermsci.2015.07.001.
Rheumatology (Oxford)
巻: 54 ページ: 1745-7.
10.1093/rheumatology/kev247.
巻: 173 ページ: 865-6.
10.1111/bjd.13790.
巻: 79 ページ: 319-20.
10.1016/j.jdermsci.2015.06.003.
巻: 173 ページ: 584-6.
10.1111/bjd.13702.
Eur J Dermatol
巻: 25 ページ: 349-50.
巻: 173 ページ: 309-11.
10.1111/bjd.13641.
Case Rep Dermatol
巻: 7 ページ: 187-93.
10.1159/000438505.
巻: 79 ページ: 4-9.
10.1016/j.jdermsci.2015.04.009.
Proc Natl Acad Sci U S A
巻: 112 ページ: 7707-12.
10.1073/pnas.1503491112.
巻: 95 ページ: 756-7.
10.2340/00015555-2056.
巻: 172 ページ: 1674-6.
10.1111/bjd.13590.
Clin Res Hepatol Gastroenterol
巻: 39 ページ: 222-9.
10.1016/j.clinre.2014.08.004.
巻: 95 ページ: 620-1.
10.2340/00015555-1948.