研究課題
自己免疫性白斑発症におけるCD8+T細胞の重要性は、我々を含め報告されてきた。しかし、実際の白斑皮膚でCD8+T細胞の浸潤を認めてもメラノサイト障害像、メラノファージのメラニン貪食像はほとんど認めない。我々は以前の報告で白斑患者組織にTh17型細胞の浸潤を認め、さらに培養メラノサイトでIL-1β,IL-6,TNF-α,IL-17A等がメラニン合成転写因子や酵素等を低下させメラニン合成を抑制することを見出してきた。一方、我々のグループはMHC分子による細胞内ミスフォールド蛋白提示機構が種々の自己免疫疾患発症機構に関与することを見出してきた。そこで我々は、Th17細胞、MHCミスフォールド蛋白提示機構、表皮角化細胞、真皮線維芽細胞による協調作用、微小環境形成が白斑形成に重要と考察し、それらをin vivoの実験系で証明しようと考えた。さらに最近ロドデノールの塗布が尋常性白斑様の症状を誘導し社会問題となった。化学物質、物理刺激、炎症等が汎発性白斑の誘引となる事は知られていたが発症機構は不明だった。そこでこれら外的要因の影響についても解析した。まず種々のヒトとマウスのメラノサイト抗原の遺伝子クローニングに成功し発現ベクターに組み込み細胞に発現させ蛋白レベルで発現確認した。さらにMHCとそれらの抗原の関係、メラノサイトへの影響を解析した。またロドデノールがTNF-αや紫外線などの外的刺激と協調しメラノサイトをアポトーシスの方向に誘導することを証明した。これらのツールを用いて白斑モデルマウスの樹立を試みた。最終的に期間中の白斑発症マウスの樹立に至らなかったが、白斑モデルマウスの樹立は自己免疫性汎発型白斑発症機構の解析に欠かせないことから、今回クローニングしたメラノサイト抗原や今回得られた知見をもとに今後も白斑マウスモデルの樹立に取り組んでいく所存である。
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