• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

精神疾患患者死後脳単一神経細胞における体細胞変異解析の試み

研究課題

研究課題/領域番号 15K15424
研究機関熊本大学

研究代表者

岩本 和也  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40342753)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードシングルセル / 死後脳 / 神経細胞
研究実績の概要

本年度は、ヒト死後脳前頭葉試料からの単一神経細胞核を利用したゲノム解析の条件検討を継続して行った。前年度検討を行った、細胞の品質を個々に評価しながら解析対象細胞を選択できるAS One社のセルピッキングシステムを用いた単一神経細胞核単離実験系に加え、ハイスループットで連続した化学反応が可能な、フリューダイム社のC1装置を用いた実験系の検討を行った。
本年度は予備的検討として、死後脳前頭葉試料からNeuNマーカーでセルソーティングにより単離した単一神経細胞核をC1装置で分離後、C1装置でのプロトコールが既に確立している一般的なTaqmanプローブを用いたRT-PCR法による遺伝子発現解析を行った。細胞核におけるRNAは、品質評価が困難であり、収量が細胞全体を使用した場合よりも大幅に減少すると見込まれるが、解析した単一神経細胞核のほとんどで良好な遺伝子発現が確認された。また、体細胞変異解析の補助情報となると考えられるトランスポゾン関連配列の遺伝子発現量の定量を試み、予備的データの取得を行った。
単一神経細胞核を利用した遺伝子発現解析では、スプライシングを受けていないpre-matureなRNAや核内RNAが主な解析対象となるため、測定する遺伝子のprimer配列のデザインや、比較のための内在性のコントロール遺伝子の選択に特に注意を払う必要があると考えられた。現在、C1装置を用いた単一神経細胞核のゲノム解析について、全ゲノム増幅条件の最適化を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

単一神経細胞核を用いたゲノム解析について、全ゲノム増幅までの最適なパイプラインの構築ができた共に、LINE-1挿入部位の検出方法についての確立ができた。

今後の研究の推進方策

確立したパイプラインを基に、全ゲノム増幅後サンプルのQCを行い、体細胞変異の検出系全体の確立を試みる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Estimation of LINE-1 copy number in the brain tissue and isolated neuronal nuclei.2017

    • 著者名/発表者名
      Bundo M, Kato T, Iwamoto K
    • 雑誌名

      Genomic mosaicism in neurons and other cell types

      巻: 印刷中 ページ: -

  • [学会発表] ヒト死後脳由来のニューロン・オリゴデンドロサイトを使用したシングルセルゲノム解析2016

    • 著者名/発表者名
      文東美紀、石井貴男、鵜飼渉、橋本恵理、笠井清登、 加藤忠史、岩本和也
    • 学会等名
      第38回日本生物学的精神医学会 ・ 第59回日本神経化学会大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場、福岡
    • 年月日
      2016-09-08 – 2016-09-10
  • [学会発表] Comprehensive DNA methylation analysis of neuron and oligodendrocyte from human postmortem brains.2016

    • 著者名/発表者名
      Bundo M, Ueda J, Miyauchi T, Ishii T, Ukai W, Hashimoto E, Kasai K, Kato T, Iwamoto K.
    • 学会等名
      第39回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜、神奈川
    • 年月日
      2016-07-20 – 2016-07-22
  • [備考] 研究室webサイト

    • URL

      https://www.molbrain.com/

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi