近赤外線の持つ抗炎症作用に注目し、精神疾患における活性ミクログリア仮説に対する治療法発見のため、近赤外線の脳内効果を調査した。当初予定した活性ミクログリア仮説に即したPoly:IC及び、GM-CSFの擬似感染モデルでは、ラットの脳内で有意なミクログリア活性化がみられなかった。一方、近赤外線の脳への効果は、健常ラットに近赤外線を照射した場合には、照射ラットでは、非照射ラットに比べBDNFの増加、インターロイキン(1β、6、及び10)の減少、照射後の体温上昇がみられた。特にBDNFは、成体に加え、胎児期ラットやヒト培養神経細胞でも照射後の上昇がみられ、精神疾患の予防法につながることが示唆された。
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