うつ病のキヌレニン仮説に基づき、安定同位体でラベルしたトリプトファン(Trp)服用後の呼気ガス検査(13C-TBT)の有用性を検討した。対象は18人の大うつ病と24人の健常者(第1サンプル)、18人の大うつ病、15人の統合失調症、21人の健常者(第2サンプル)である。13CTryp 150mg摂取後、呼気中13CO2/12CO2比を180分測定した。13CO2累積回収率 は健常者と比較してうつ病で有意に高く、統合失調症は有意差がなかった。血漿Trp濃度や抗うつ薬量は13C-TBT所見と負の相関を示した。以上から、13C-TBTはTrpーキヌレニン系が亢進したうつ病を検出する有用な検査である。
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