がんの転移に重要な役割を果たす酵素であるヘパラナーゼを標的とした核医学診断を目的に、ヘパラナーゼの選択的阻害剤であるOGT2115を基盤とした新規放射性ヨウ素標識体[I-125]1および[I-125]2を設計、合成した。 非標識体である1および2は、既報のヘパラナーゼ阻害剤と同程度の高いヘパラナーゼ阻害活性を有していた。また、[I-125]1は注射液中において高い安定性を示し、ヘパラナーゼ発現量に依存してがん細胞に集積するとともに、健常マウスにおいて良好な体内動態が得られた。以上より、[I-123]1はがんの質的診断を可能とする放射性薬剤としての基礎的条件を備えていることが明らかとなった。
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