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2016 年度 実績報告書

脳梗塞初期の分子病態に基づく新たなPET診断技術法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K15464
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

水間 広  国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 研究員 (00382200)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード脳梗塞 / 画像診断 / PET / ラット
研究実績の概要

本研究では脳梗塞初期における新規の生体イメージング技術による診断法の開発をするために、動物基礎研究を行った。昨年度は、脳梗塞モデル動物である脳虚血-再灌流モデルラットの障害側におけるフッ素18で標識したフルオロ酢酸([18F]FACE)の集積について陽電子断層撮影(PET)を行った結果、脳虚血時における障害領域の[18F]FACEの集積が反対健常側よりも2.5倍多く集積した。以前では[18F]FACEの体内動態は酢酸と同様と考えられてきたが、炭素11で標識した酢酸([11C]acetate)による実験結果から脳虚血時では[11C]acetateの障害領域への集積は健常側に比較して低下しており、異なる結果であった。今年度は、虚血中における障害領域における[18F]FACEの代謝物解析を行った結果、対照の[11C]acetateでは虚血障害領域において代謝されたのに対し、[18F]FACEは代謝されず、予想していたフルオロクエン酸への代謝は確認されなかった。また、細胞内分布では細胞質に95%以上貯留しており、代謝部位であるミトコンドリアへの分布はわずか2%であった。加えて、酢酸の輸送体であるモノカルボン酸トランスポータの阻害剤を前処置し、虚血側における[18F]FACEの集積変化をPETで調べたが、変化は認められなかった。PETによる動態解析から血液から組織内への流入速度(K1)は障害側と健常側との間に有意な差は認められなかったが、組織から血液への流出速度(k2)では障害側が健常側に比べて有意な低下を示した。これらの事から、障害側での[18F]FACEの集積は酢酸代謝とは明らかに異なるものであり、細胞質中におけるFACEの未知の機能が推測される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 2-[18F]fluoroacetate as an imaging biomarker for cerebral ischemia2016

    • 著者名/発表者名
      Mizuma H, Kagawa S, Ohno M, Matsumoto Y, Kakumoto K, Higashi T, Nishii R, Onoe H
    • 学会等名
      SNMMI2016, Annual Meeting of Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging
    • 発表場所
      San Diego, CA, USA
    • 年月日
      2016-06-11 – 2016-06-15
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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