X線及び炭素イオン線抵抗性がん細胞株X60は細胞あたりのリソソーム、ATP、ミトコンドリア、活性酸素種含有量が有意に多く、これらに関わるmTORシグナリングがX線及び炭素イオン線抵抗性に深く関与することが示された。また、X60細胞はストレプトリジンOによって生じる細胞膜損傷に対して抵抗性であること、脂質ラフトの制御や細胞膜修復過程で起こるエンドサイトーシスに関わるFlottilin-1の細胞膜上のドメインが、通常培養状態から多いことが示された。この研究により、がん細胞のX線や炭素イオン線抵抗性には、脂質ラフトの形成やエンドサイトーシスなど細胞膜の代謝が関わる可能性が示された。
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