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2015 年度 実施状況報告書

新規血管新生ペプチドの導入による糖尿病への革新的細胞療法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K15469
研究機関東北大学

研究代表者

後藤 昌史  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50400453)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード移植・再生医療 / 血管新生 / 膵島移植 / ペプチド
研究実績の概要

糖尿病に対する先端細胞療法である膵島移植では、門脈内への移植が世界標準となっているが、強力な原始免疫反応の惹起や出血・塞栓といった合併症が不可避であり、理想的な移植部位とは程遠い。一方、皮下への移植は手技が極めて容易である上に安全・低侵襲であり、まさに理想的な次世代技術である事は疑うべくもないが、乏血管性という致命的課題を有しており、他の部位と比べて移植成績が著しく不良であるため、これまで臨床応用には至らなかった。そこで本研究においては、皮下における新生血管床構築の学理を究明し、高付加価値を有する新規血管新生ペプチドを導入することにより、臨床応用可能な皮下への膵島移植法を確立する事を目的としている。本年度は、まず膵島移植部位となる皮下に、新規血管新生ペプチド(AGP)を含有するアガロースを留置する事により新生血管床を構築するための条件の至適化を試みた。その結果、新規血管新生ペプチドはbFGFに比較して皮下の炎症惹起作用は弱いものの、局所に100-200ug投与することにより、浸出液や出血を伴わずに安全に有効な新規血管床を構築し得ることが判明した。bFGFは血管床構築に有用であることが既に報告されているが、腫瘍構築のリスクを伴うことや、浸出液や出血を伴うリスクがこれまでに指摘されている。今回の検証により新規血管新生ペプチドは、より血管新生に特異的であることが判明したため、実用化に際してはコスト削減も考慮し、bFGFと新規血管新生ペプチドを併用するプロトコールが極めて魅力的であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請の計画通り、新規血管新生ペプチドの皮下血管床構築能についてbFGFを対照群として検証を行い、有効濃度の至適化を行うことに成功した。

今後の研究の推進方策

当初の計画通りH28年度は移植膵島の生着に関して検証を推進していく予定である

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 1.Collagen V is a potential substrate for clostridial collagenase G in pancreatic islet isolation2016

    • 著者名/発表者名
      ShimaH, Inagaki A, Imura T, Yamagata Y, Watanabe K, Igarashi K, Goto M, Murayama K
    • 雑誌名

      Journal of Diabetes Research

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 2.Cloning a neutral protease of Clostridium histolyticum, determining its substrate specificity, and designing a specific substrate2015

    • 著者名/発表者名
      Maeda H, Nakagawa K, Murayama K, Goto M, Watanabe K, Takeuchi M, Yamagata Y
    • 雑誌名

      Applied Microbiology and Biotechnology

      巻: 99 ページ: 10489-10499

    • DOI

      10.1007/s00253-015-6923-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 塩基性線維芽細胞増殖因子デバイスによる皮下血管床構築のための霊長類における検証2016

    • 著者名/発表者名
      稲垣明子、猪村 梢、柏山 浩、猪村武弘、五十嵐康宏、末田輝子、笠井憲雪、小野文子、後藤昌史
    • 学会等名
      第43回日本膵膵島移植研究会
    • 発表場所
      ホテルグランビア広島(広島県広島市)
    • 年月日
      2016-03-04 – 2016-03-05
  • [学会発表] 膵島皮下移植モデルにおけるCTを用いた移植前血管床評価の試み2016

    • 著者名/発表者名
      植松智海、稲垣明子、猪村 梢、五十嵐康宏、大内憲明、里見 進、後藤昌史
    • 学会等名
      第43回日本膵膵島移植研究会
    • 発表場所
      ホテルグランビア広島(広島県広島市)
    • 年月日
      2016-03-04 – 2016-03-05
  • [図書] 新膵臓病学2015

    • 著者名/発表者名
      後藤昌史
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      南江堂

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公開日: 2017-01-06  

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