皮下への膵島移植は低侵襲かつ複数回の移植が可能であり、必要時に容易に取り出せるという利点を有しているが、乏血管性という課題を抱えている。したがって、皮下膵島移植の生着を促進するためには、移植部位への有効な血管床構築法を構築する必要がある。本研究ではまず血管新生ペプチドに着目したが、皮下膵島移植の成績を向上させるには大量を要し、浸出液を伴う事が判明した。そこで新生血管誘導効果を有するRGD基を豊富に含有するリコンビナントペプチドに着目し検証したところ、リコンビナントペプチドは皮下に新生血管を効果的に誘導し、現行の標準法である門脈内膵島移植と同等の移植効果を皮下にて発揮し得る事が判明した。
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