研究課題
本研究は、ゲノムを構成するDNAと同様に、小分子RNAにおいても発生するメチル化などのエピゲノム修飾を網羅的に検出するための基盤技術の開発を目指すものである。これまでの成果として、特定の配列を持つ小分子RNAを、核酸ハイブリダイゼーションの原理を応用した方法により純化・抽出し、これらにおこるエピゲノム修飾を塩基の部位特異的な情報として検出した。現在、核酸の多様性に対する検出性能を向上させるために、解析するプラットフォーム上で高密度に検出するための新たな手法に関しても研究を進めている。現段階では癌細胞株・ならびに癌原発巣におけるメチル化修飾検出の網羅的な検出を行っているところであるが、今後は汎用性を高めるために、血液や唾液など、核酸の濃度が低く、雑多な細胞集団を含む組織・サンプルでの解析にも展開していく予定である。
2: おおむね順調に進展している
初年度の目標であった細胞抽出物からのsmall RNAの純化と、それらのメチル化検出は計画通りに進捗しており、現行では血液やその他体液での作動性の確認を行う実験を進めている段階である。
次年度以降において、技術開発として、チップ上の検出スポットの高密度化・スポットの配置の最適化を進める。さらに、大阪大学倫理委員会の承認のもと、消化器癌を中心とする癌臨床検体・対応する血液サンプルを用いて、RNAエピゲノム修飾のプロファイリングを行う予定である。このシステムがうまく作動すれば、癌の超早期診断や、先制医療に応用できる可能性がある。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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