研究課題
本研究は、マイクロRNAなどの短鎖ノンコーディングRNAに起こる化学修飾を網羅的に検出する技術を開発する目的で進めてきた。平成28年度は、small RNAに起こる、微量のメチル化を検出質量分析で検出するため、アフィニティークロマトグラフィーによるサンプルの純化の技術、イオン化効率の向上などのため条件の検討を行い、合成オリゴのレベルであれば、１～5%以下のメチル化を、ヌクレオチド単位で検出できるまでの精度を実現することができた。これにより、標的分子上の化学修飾の有無を検出できるだけでなく、標的分子中のメチル化の部位まで同定することができるようになった。質量分析に関しては、LC-MS/MS(液体クロマトグラフィー)とマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析計(MALDI-TOF-MS)を用い、小分子核酸の検出に最適な質量測定レンジや、レーザー強度の調整を行なった。以上のような最適化の後に、がんを始めとする疾患バイオマーカーとしての本手法の利用を視野に入れ、組織や体液サンプルからのRNA単離の技術開発を行ってきた。その結果、４つのマイクロRNAに対して、高い精度で質量分析による検出ができる技術を開発した。また、多様な標的を網羅的に検出するために、基板上にターゲットを捕捉するためのオリゴ核酸を高密度に配置する技術の開発を進めており、チップ基板上への捕捉オリゴのプリントの工程に関して条件検討を行なってきた。基板上へのオリゴの配置に関しては、in silicoでの核酸配列情報の解析により、より効率的にサンプルRNAを保持できるようなデザインを行なっている。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件)
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