研究課題/領域番号 |
15K15478
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
山澤 一樹 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 医師 (10338113)
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研究分担者 |
松永 達雄 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 部長 (90245580)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 遺伝性腫瘍 / メチル化 / エピジェネティクス |
研究実績の概要 |
近年、ゲノムDNA中に存在が発見された5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hydroxymethyl C: 5hmC)は、DNAメチル化を担う5-メチルシトシン(5-methyl C: 5mC)の酸化産物であり、「第6の塩基」として注目を集めている。本研究は、遺伝性乳がん・卵巣がん(以下、HBOC)およびその他の遺伝性腫瘍において、メチル化およびヒドロキシメチル化が病態にどのように関与しているかを解明することが目的である。特に5hmCがDNA脱メチル化機構の中間代謝産物であることに着目し、遺伝性腫瘍において脱メチル化を促すことによるエピゲノム治療法を開発することを目指す。 平成27年度は、5hmCを一塩基レベルの解像度で検出するための解析手法の開発を行った。通常のバイサルファイト処理では5mCと5hmCを区別することができないため、酸化バイサルファイト処理を用い、これにパイロシークエンス法およびDNAメチル化ビーズアレイを組み合わせた新規解析手法を開発した。本手法を用いて、先天性メチル化異常に起因する稀少疾患症例における、5mCおよび5hmCの分布を解析し報告した(Matsubara et al. Clin Epigenetics 2015、研究代表者山澤が最終・責任著者)。この報告によって、我々が新たに開発した解析法の有用性が証明され、5mCおよび5hmCをゲノムワイドレベルで探索することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
収集できたHBOCその他関連がんの臨床検体数が想定よりも少なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、臨床検体の収集を推進するとともに、新規に開発した解析法をHBOCをはじめとする遺伝性腫瘍サンプルにも応用し、5mCおよび5hmCの分布すなわち”methylome”および”hydroxymethylome”を明らかにし、患者臨床情報と比較検討することで、HBOCおよび関連がんにおけるphenotype-(epi)genotype correlationを解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に他の研究資金を使用し、新規の解析手法の開発を行ったため
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に開発した解析手法を用いて、臨床検体の解析を大規模に行う
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