研究課題
近年、ゲノムDNA中に存在が発見された5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hydroxymethyl C: 5hmC)は、DNAメチル化を担う5-メチルシトシン(5-methyl C: 5mC)の酸化産物であり、「第6の塩基」として注目を集めている。本研究は、遺伝性乳がん・卵巣がん(以下、HBOC)およびその他の遺伝性腫瘍において、メチル化およびヒドロキシメチル化が病態にどのように関与しているかを解明することが目的である。特に5hmCがDNA脱メチル化機構の中間代謝産物であることに着目し、遺伝性腫瘍におけるmethylomeおよびhydroxymethylomeを明らかにし、脱メチル化を促すことによるエピゲノム治療法の開発につながる知見の獲得を目指す。研究実績として、平成27年度に、5hmCを一塩基レベルでゲノムワイドに検出するための解析系(oxBS-array法)の開発に成功した(Matsubara et al. Clin Epigenetics 2015、研究代表者山澤が最終・責任著者)。平成28年度より、この手法を用いて、HBOCおよび関連がん症例検体を解析し、5mCおよび5hmCのゲノムワイドな探索を開始した。しかしながら現段階で収集できた臨床検体(特に腫瘍組織検体)が想定より少ないため、HBOCおよびその他の遺伝性腫瘍におけるphenotype-(epi)genotype correlationの知見の獲得には未だ至っていない。今後、症例をより大規模に集積し、遺伝性腫瘍におけるmethylome/hydroxymethylomeの解明を目指したい。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 2件)
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