本研究の主題は "移植医療の新しい治療対象になりうる樹状細胞の可能性の探究" にあった。近年の免疫抑制剤や術前術後管理を含めた手術方法への新しい取り組みは、手術成績や移植グラフトの生着率を飛躍的に改善させた。しかしながら、拒絶反応のメカニズムを100%把握出来てはおらず、新しい治療対象の検討、拒絶反応検出のための新しい手法の開発が望まれていた。本研究期間を通じて、抗原提示細胞の1つである樹状細胞は移植前(虚血再灌流)の状態から、既に治療対象となりうる事がイメージングで明らかとなり、これまで予想し得なかったドナーへの移植前のpre-conditioningの重要性を示唆する結果に繋がった。
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