研究課題/領域番号 |
15K15488
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石毛 和紀 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20597918)
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研究分担者 |
柳川 徹 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10312852)
蕨 栄治 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70396612)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241827)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肥満 / 脂肪性肝炎 / 転写因子 / 遺伝子レスキューマウス / 肝発癌 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き組織特異的p62, Nrf2遺伝子ノックインマウスの作製を行った。昨年度作製したキメラマウスのうち、キメラ率の高い雄を野生型C57BL/6雌と交配しF1ヘテロマウスを得た。遺伝子型の判定は、尾端組織DNAを用いたPCR産物のパターンを解析して行った。ここで得られる遺伝子改変マウス(p62KI/KIおよびNrf2KI/KI)は、第2イントロンで転写がストップするため、全身でp62あるいはNrf2の発現が欠損する。これらのマウスを、既に作製済のp62-/-、Nrf2-/-、あるいは互いに交配して、p62KI/KI:Nrf2-/-、p62-/-:Nrf2KI/KI、p62KI/KI:Nrf2KI/KIマウスを得た(現在この段階を遂行中である)。これらのマウスは、全身でp62およびNrf2遺伝子二重欠損となり、NASHを発症する。平成28年度は、p62、Nrf2の全身二重欠損下において、組織特異的にp62、Nrf2の発現をレスキューするために、上記マウスを組織特異的にCreリコンビナーゼを発現するマウスと交配する。これにより生まれる仔は、Creが発現する組織でのみLoxPで挟まれた転写終結シグナルおよびpolyA付加シグナルが除去され、p62あるいはNrf2の発現がレスキューされる組織特異的ノックインマウスとなる。本研究では、腸管上皮、肝細胞、骨髄系細胞(クッパー細胞)、脂肪細胞特異的ノックインマウスを作製するために、それぞれLyz2-Cre、Albumin-Cre、CK19-Cre、aP2-Creマウスを用いる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの繁殖に時間を要している。その対処法として、繁殖ケージを増やして繁殖している。現在、匹数は増えてきており、レスキューできているマウスから実験を行う予定である。 研究成果の一部は国際学会にて口演にて発表した.
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今後の研究の推進方策 |
NASH発症機序に重要な組織を追求するために,DKOマウスの任意の組織・細胞において各遺伝子をレスキューしたマウスを作製し,DKOマウスと形質を比較し,その組織・細胞とNASH発症との関係を明らかにする.一連の研究結果を踏まえて,分子学的機構を解明することにより,どの臓器でどの遺伝子がNASH発症に深く関わっているかを明確にすることができる.
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次年度使用額が生じた理由 |
サイトカイン測定キット(輸入品)の発注から納品までに時間を要している.年度内の納品が困難であった.
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次年度使用額の使用計画 |
新年度に測定キットの到着を待ち,速やかに測定を実施する予定である.
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