本研究は有茎腸管グラフト内の充填肝組織片の急速な増殖環境下に膵組織片や膵島を共充填することで肝組織片からの増殖因子の影響によりこれらが増殖、増大して体内型機能膵臓として機能することを期待して行われた。肝組織片と膵組織片、膵島の共充填例では5週間後、3週間後でも充填組織全体が全く壊死せずグラフト内に生着するケースが認められた。これは肝組織片単独の充填では決してみられなかったものである。膵島移植例では膵島構成細胞の増殖も認められた。しかし、他家移植であるため膵島成分へのリンパ球の浸潤から拒絶反応がおきていることが推察された。今後、拒絶反応対策をたてることで人工肝・膵作成の展望が開けるものと考える。
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