研究課題/領域番号 |
15K15503
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
青笹 季文 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 講師 (40649034)
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研究分担者 |
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 准教授 (10449069)
緒方 衝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 講師 (00531435)
野呂 拓史 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 助教 (10385346)
山本 順司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 教授 (40342654)
辻本 広紀 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 講師 (80554998)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 光線力学的免疫療法 / 膵臓外科学 |
研究実績の概要 |
【目的】膵がんなど深部の難治性悪性腫瘍に対する新しい治療法を開発する。体内に薄膜LEDを埋め込み、光増感剤を投与したのち持続的に低強度光を照射することで光線力学的に免疫を賦活し、腫瘍縮退を誘導する。 【方法と結果】 H27年度では以下の成果が得られた。 1. 低強度光照射のための光源デバイス構築 1-1. ポルフィリン系光増感剤を励起するための赤色光(630nm)を面均質照射できるパネルLED光源(20×30 cm)(パネル光源)を作製した。 1-2. 体部に装着して腫瘍のみに装着できる円形小型LED光源(φ20 mm)(小型光源)を開発した。 2. がん細胞(Colon26)をBALB/cマウスの皮下に移植して担がん動物モデルを作製した。マウスに光増感剤(フォトフリン)を経静脈投与した後、低強度長時間光照射(1 mW/cm2, 24 hrs以上)によって誘発される腫瘍増殖抑制効果を検証した。 2-1. 移植腫瘍が単一の場合:パネル光源を用いた場合、腫瘍増殖抑制効果が認められた。小型光源を用いた場合、腫瘍増殖抑制傾向が見られた。2-2. 移植腫瘍が2つの場合:フラット光源を用いて、片側の腫瘍にのみ光があたるように処置したところ(他側腫瘍には光を遮蔽するキャップを装着した)、光が照射された腫瘍と照射されない腫瘍ともに腫瘍増殖抑制傾向が見られた。2-2の結果より、一つの腫瘍のみに対する低強度光PDTは、非照射側の腫瘍の縮退も誘発でき、これは光線力学反応によって免疫反応が誘導されている可能性が高いことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究開発を遂行する上での基本的な実験環境を構築できた。さらに、本研究開発の基盤的な仮説である、低強度光線力学的反応による免疫効果を惹起させ腫瘍増殖抑制を誘導できた。この結果はH28年度以降の研究開発を大いに推進する。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度においては、免疫反応を起こすのに最適な光照射条件や光増感剤投与濃度等を探索する。あわせて、免疫担当細胞とくに好中球に注目して動態解析も行う。申請者らはこれまでに、PDTの効果メカニズムに自然免疫である好中球が重要な役割を果たすことを明らかにしてきた(PloS one (2012) 7:e39823) (Lasers Surg Med (2011) 43:221)。そこで本研究では、lys-EGFPマウス(蛍光タンパクを発現する好中球を産生するマウス)を使用し、これにがん細胞を移植して、PDI後の好中球集積を生体イメージング装置(IVIS)にて解析する。好中球走化因子(MIP-2など)などの免疫組織染色も行い、好中球遊走・集積にかかわるシグナルを追跡する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度開始時点までに、本研究開発の基盤的な仮説である、低強度光線力学的反応による免疫効果を惹起させ腫瘍増殖抑制を誘導できた。この成果を残せたのは平成27年度に作製した2つの光照射デバイスである。これらは本研究の協力者の厚意により構築することが出来た。本申請では研究開始当初、これらデバイス製作に関係する費用を計上したいたが、結果として使用することがなくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
実験遂行の迅速化を図るため、実験支援員を雇用する。この費用を次年度使用額に計上する。
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