小児の先天性心血管疾患の治療において、血管収縮に伴う狭窄病変に起因する疾患の予後は極めて不良であるが、血管収縮機転のメカニズムは解明されていない。大型放射光施設SPring8の大型加速器による放射光位相差X線CT法が、収縮血管の構造解析解明に有効ではないかと考え検証した。正常構造および血管退縮性疾患群の心臓ホルマリン標本を用い、放射光位相差X線CT法で血管組織を撮像。画像処理を施し、病理切片染色と詳細に照合した結果、一部疾患群では動脈管組織が正常血内へ進展している構造が明らかになった。本法は標本を破壊することなく退縮血管の構造解析を可能とし、今後の病因解明へ有効であると考えられた。
|