もやもや病の病態を解析するため、もやもや病特異的iPS細胞から平滑筋細胞を分化誘導した。まず、iPS細胞から神経堤細胞を分化誘導し、それらの細胞は99%以上でp75陽性であることを確認した。それらの細胞に対して平滑筋細胞へと分化誘導を行ったが、分化誘導の途中で細胞の老化、増殖能力の低下が認められた。最終的に残った細胞に対して免疫染色を行ったところ、ほぼ全ての細胞でα-SMA、SM22陽性であり、平滑筋細胞へと分化していることが示された。しかし、細胞の増殖能力低下のため、解析に必要な十分な細胞数を得ることが困難であった。今後、細胞の老化を防ぐために分化誘導方法を改良する必要があると考えられる。
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