研究課題/領域番号 |
15K15530
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 英寿 自治医科大学, 医学部, 客員教授 (50150272)
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研究分担者 |
益子 敏弘 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90275701)
山口 崇 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20245070)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 拡張現実 / 術中ナビゲーション / タブレット型モニター / 脳神経外科手術 / 内視鏡手術 / 顕微鏡下手術 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は拡張現実を応用した全く新しい形の手術用ナビゲーション装置の開発である。この装置を脳外科手術のあらゆるシーンで用いることができるように開発をすすめるのが主眼である。下記に述べるように現時点では開頭計画から手術用顕微鏡が入る前の段階まででの応用を中心に開発を進めてきた。今後はその段階での問題点を解決するとともに、手術用顕微鏡その他手術後半への応用に力点を移して研究を進めたい。 本年度実施した課題は下記のようである。いずれも昨年度の臨床的使用実績を基に問題点として発掘されたものの解決である。1)表示用タブレットをタブレットPC(Microsoft surface)から有線のタブレッド型モニターに変更した。これにより、カメラ画像の遅れは消失し、重すぎて使いづらいという問題点もほぼ解決した。 2)カメラの位置合わせ精度を向上させるための補助ソフトウェアを開発した。結果として、位置決め精度は著しく向上した。また、臨床使用のための研究成果を検証するためにさらなる術中使用経験を重ねている。 次いで以下の点を今後の開発のためにトライアルを実施し現実的な検討を開始した。1)顕微鏡下手術とへの応用のために手術用顕微鏡に本システムを連動させる2)内視鏡手術への応用なために内視鏡への連動を検討する3)ヘッドマウントディスプレーの応用も試用を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に発見された臨床使用上の問題点が次々と改善されている。 特に初年度、使用経験上指摘された、カメラ画像の遅れと重量がおもすぎるという点も同時に解決された。 手術への応用も症例を着実に重ね、途中経過の成績を報告した論文も受理された。 手術用顕微鏡や内視鏡への連動もめどが立ち始めた。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに到達できた点は開頭計画から脳表に達するまでのナビゲーション誘導である。今後は脳外科手術の様々なシーンで本システムが連動することが重要となる。 以下の点を今後の課題として設定した。 1)顕微鏡下手術とへの応用のために手術用顕微鏡に本システムを連動させる 2)内視鏡手術への応用なために内視鏡への連動を行う。 3)ヘッドマウントディスプレーや眼鏡型ウェアラブル端末の応用を開発する。 また、希望的には表示装置として様々なタブレット端末(スマートフォンを含む)で表示できるようにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行上、問題点の発掘とそれに対応するソフトウェアの開発が計画よりも遅れ気味となるため、繰越を行うことにより、最終年度の費用負担を増加させる必要が発生している。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越した金額はほぼ全額、最終統合的ソフトウェアの開発に充当する予定である。
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