研究課題/領域番号 |
15K15530
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 英寿 自治医科大学, 医学部, 客員教授 (50150272)
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研究分担者 |
益子 敏弘 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90275701)
山口 崇 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20245070)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 拡張現実 / 手術支援ナビゲーション / 脳神経外科 / 3次元表示 |
研究実績の概要 |
1年間延長して研究開発を行った。 新しいタイプのARナビゲータはほぼ所期の機能を充足し、臨床例も経験し、研究は完了した。最終的に完成した機能は以下の通りである。 1)タブレットカメラからの入力画像の上に患者個人の頭皮、頭蓋骨脳、頭蓋内構造(動脈、静脈、脳腫瘍など)のCT/MRIから作成した3D表示画像が重畳表示され、手術目標の直感的な確認が可能となった。2)これを顕微鏡画像上にも投射することで、顕微鏡下の手術時にも応用が可能であった。3)表示できる頭蓋内構造として、MRIから得られたトラクトグラフィーも追加した。4)更にMRI/CTの断面画像もプローベで示した位置の断面を随時表示することで視察可能とした。5)30例以上の症例で術中に応用を試み、精度の検証を行った。 空間的な精度をファントムを用いて検証した。総合的な精度は 2mm 以内で あり、ナビゲータとしての実用精度が確保できていることを確認した。次いで、倫理委員 会の規定に沿ったフォーマットで患者の承諾を得たのちに、実際の手術中で検証を行った。 32 例の臨床例でのまとめとして、臨床的な精度は 2.5mm であり、十分な精度が確保でされ ていることが確認された。 その後、様々な付加的な開発を行った。 1) 顕微鏡下での試用を試み、ある程度の成果を得たので次なるステップへの結果と なった。2) トラクトグラフィーを表示することも可能とし、神経線維の走行をとらえながら、 脳機能マッピングを加味した手術にも応用が可能となった。 3) 奥行方向を的確にとらえるためには従来の断面図を用いる方法も総合的に表示す る必要を認めたため、プローベで指示した点に対応する CT/MRI 断面が東部内部に見た ままの角度で表示されるようソフトウェアを追加開発した。 以上、所期の目的を達成し、将来へのさらなる開発のseedも示唆できる結果を得た。
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