研究課題/領域番号 |
15K15532
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
池島 宏子 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (60265783)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | アストロサイト / マウス / レーザー / 二光子顕微鏡 / アブレーション |
研究実績の概要 |
一年目の昨年は,アストロサイト特異的に染色することが可能な蛍光試薬Sulforhodamin 101 (SR101)を用いて,二光子レーザー顕微鏡(2PLMS)を利用したマウス脳内の活性化アストロサイトのin vivo imaging解析を行った.このことにより,マウスのwindow作成用の手術方法及び観察の系を確立することができた. 二年目の本年は,一年目の経験を生かしてアストロサイト特異的(glial fibrillary acidic protein)にeGFP(enhanced green fluorescent protein)を発現するトランスジェニックマウスGFAP-eGFPをJackson Laboratoryより購入して,活性化アストロサイトの挙動の解析を行った.またさらに,in vivo imagingの結果とマウスの脳の切片を用いた蛍光免疫染色の結果との比較解析を行った. さらに,脳内のごく一部の微小な領域に一定レベルのpowerのレーザーを照射して,組織の一部を破綻することを試みた.かつて,イタリア・フィレンツェ大学の共同研究者の研究室へ短期留学して学んだ手法を本研究にも導入する目的で行った.その結果,狙った微小な領域にレーザーを照射することが可能であり,脳内の損傷部位の機能を明らかにする系を確立することができた.本手法は,脳内の極微小な領域をレーザー照射による損傷方法で,マウスに対する健康被害は全くないものである.従って,遺伝子欠損マウスとは異なって遺伝子の機能には影響を与えず,マウスは正常な状態であり,その上で脳内の細胞の一部の機能を解析するのに有用な方法である. 今後,この手法を用いて,アストロサイトの機能を解析していく予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り,脳内の細胞の一部にレーザーによる損傷を与える系を確立した.
|
今後の研究の推進方策 |
今後はアストロサイトの一部の領域に損傷を与えて,脳内における機能を明らかにしていく.
|
次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子欠損マウスを導入する.
|
次年度使用額の使用計画 |
遺伝子欠損マウスを用いた解析を行う.
|