研究課題/領域番号 |
15K15533
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
陰山 博人 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60461068)
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研究分担者 |
徳田 良 兵庫医科大学, 医学部, その他 (70760015)
津田賀 俊 兵庫医科大学, 医学部, その他 (20759104) [辞退]
立林 洸太朗 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90759127)
田中 康恵 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (30723499) [辞退]
宮地 由樹 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30737234) [辞退]
吉村 紳一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40240353)
松山 知弘 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10219529)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 傷害誘導性神経幹細胞 / 脊椎損傷 |
研究実績の概要 |
今年度は脊髄損傷モデル作成のために手術場所の確保、麻酔器の準備などから始めた。また脊髄損傷モデル作成の手順について論文を収集し、現在多数あるモデルのうちから頻用されており、かつ一般的なモデルを採用した。その作成手順を元に脊髄損傷モデル作成装置を業者に依頼して、複数の候補を試したうえで購入した。 実際にマウス(CB-17)を用い、脊椎損傷モデルを作成して神経障害の検討を行った。手技に慣れないうちは、手技時間が長くかかるため、過鎮静となり死亡することもあったが、手技の習熟に伴い死亡例は著明に減少した。周術期の問題が無ければ、神経症状としての両下肢の麻痺症状の出現を確認することができた。次に実際に組織に与えられた衝撃・傷害に不均一性が生じていないかについて、作成装置上で、圧計測を行い確認した。手技としては問題なく、圧挫傷モデルの作成が可能であることを確認した。 現在は本来の目的である、脊髄損傷部位からの傷害誘導性神経幹細胞の分離培養を開始したが、神経幹細胞の分離には至っていない。そこで、この分離培養実験の元となっている脳梗塞組織からの細胞障害性神経幹細胞の分離培養手順についてもう一度見直し、実際に脳組織からは神経幹細胞が得られることを再確認した。同様の手順を用い脊髄損傷組織からの分離培養を行う予定としている。また、行動学的評価の基盤形成のため、姉妹校である兵庫医療大学へ訪問し、神経機能評価系の研究分担者とプロトコルの協議、確認を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脊髄損傷モデルは多数存在するため、臨床に近いモデルの選定に時間を要した。また脊髄損傷を確実に作成するため、機器の選定にも時間を要した。 脊髄損傷モデルの作成自体は容易と考えていたが、実際に行うと意外と時間を要し、その手技習熟までにも時間を要した。 さらに実際に脊髄損傷モデルを作成し、傷害誘導性神経幹細胞の培養を行ったが、うまく誘導することに成功できていない。培養条件などの再確認を行ったためにここでも予定より遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今後手術手技の標準化、安定したモデルマウスの作成のため、他施設への研修を含め、検討している。脳梗塞モデルにては発症数日程度で脳梗塞部位および境界領域に神経幹細胞の集簇を確認しているため、脊椎損傷モデルマウス作成手技が確立後、損傷数日を目処に病理学的検討及び、脊髄組織からの幹細胞分離培養を行う予定である。神経管周囲に存在するとされている神経幹細胞と傷害誘導性幹細胞(injury induced-Neural Stem/Progenitor Cells: iNSPCs)の区別のためにペリサイトマーカーなどを用いて検討を加える予定としている。さらには髄鞘を形成するアストロサイトやオリゴデンドロサイトへの分化の検討を行い、脊髄損傷の際の自己修復能の有無および修復機構を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
脊椎損傷モデル作成後、蛍光染色法等で評価を行う予定であったが、細胞の分離培養に成功していないため、必要試薬を全て購入しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
試薬等消耗品に使用する予定。
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