研究課題
今年度はまず、マウス関節軟骨から関節軟骨最表層(Superficial Zone; SFZ)の細胞と、軟骨層の細胞を取り分ける手法を確立し、Prg4、1型コラーゲンのマーカーがSFZ特異的に発現し、軟骨細胞では発現が低いことを確認している。Prg4のプロモーターに関しては、長さの異なる3つのプロモーターベクターを作成し、動作確認を行った。転写開始点に近い、最も短いタイプのものを指標に現在、GFPとの結合ベクターを作成している。候補化合物のスクリーニングは器官培養での検討を行っている。マウス大腿骨頭を単離し、化合物存在下に5日間培養を行い、上清へのアグリカンの放出量を定量し、培養後の大腿骨頭を組織学的に解析し、SFZの厚さや細胞密度などを調べ、化合物の効果を評価している。In vivoの実験においては、関節軟骨最表層のドライバーとなるPrg4-EGFP-Creマウスを入手し、関節軟骨最表層に発現している、遺伝子floxマウスと交配を開始した。
2: おおむね順調に進展している
順調にIn vitroの解析に必要なツール作成、発現マーカーの確認、プライマリー細胞の採取と培養ができている。In vivo解析に必要なマウスの入手もでき、交配も進んでいる。
今後は、関節軟骨最表層再生、破壊防止をするような化合物を絞り込み、その機能解析を行う予定である。さらに、Prg4-EGFP-Creマウスと関節軟骨最表層に必須の遺伝子のfloxマウスとの交配で、変形性膝関節症(OA)モデルを作成し、関節軟骨最表層を制御する分子の同定を行う。
おおむね研究が順調に進み、当初想定していた研究費用を下回る予算で実行できたため。
In vitroの解析に必要なツール作成、発現マーカーの確認、プライマリー細胞の採取と培養にかかる試薬、器具、マウスの購入。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 備考 (3件)
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