研究課題/領域番号 |
15K15542
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
猪瀬 弘之 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30615711)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 骨代謝 / ノンコーディングRNA |
研究実績の概要 |
①骨芽細胞分化において変動する長鎖ncRNAの探索・同定 BMP2を投与して骨芽細胞に分化誘導したマウス間葉系幹細胞であるST2からRNAを抽出し、次世代シークエンサーによる網羅的遺伝子発現解析を行い、骨芽細胞分化の過程において発現が大きく変動する長鎖ncRNA-Xを同定した。この長鎖ncRNA-Xについて骨代謝におけるこれまでの働きは全く未知である。そして、定量的RT-PCRにより長鎖ncRNA-Xの発現をST2細胞、マウス初代培養骨芽細胞及びマウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1において確認した。そして、定量的RT-PCRにより骨芽細胞分化過程における長鎖ncRNA-Xの発現の変動についても確認し、骨芽細胞の分化とともに長鎖ncRNA-Xの発現が有意に増加することを見出した。 ② 長鎖ncRNAの機能解析 長鎖ncRNA-Xに対するsiRNAをカチオン系の試薬を用いて骨芽細胞に導入して長鎖ncRNA-Xの発現を抑制し、その影響をアルカリフォスファターゼ活性及びreal time PCR法にて検討した。しかしながら、購入したsiRNAによる長鎖ncRNA-Xのノックダウン効率が悪かったためか、有意な骨芽細胞分化への影響は認められなかった。そのため、現在CRISPR-Casシステムの導入を計画している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回、次世代シークエンスの結果によりこれまで未知の長鎖ncRNA-Xを同定することに成功した。しかしながら、機能解析は当初の計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
長鎖ncRNAの機能解析を進めるため、当初の計画では予定していなかったが、CRISPR-Casシステムの導入を行う予定である。このことにより、骨芽細胞特異的長鎖ncRNAトランスジェニックマウスではなく、長鎖ncRNA欠損マウスの作成が可能となり、更なる研究の深化が期待できると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
siRNAを用いた機能解析実験が難航しているためである。そのために過剰発現実験を進行することができないなど、機能解析が予定通り進行しなかったために繰り越し額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
抑制系の機能解析実験については、CRISPR-CASシステムを持ちいたゲノム編集技術により対応する。そのためのベクター構築、及びノックアウトマウス作成のために繰り越し額を使用する予定である。
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