研究課題/領域番号 |
15K15546
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
木村 友厚 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (80167379)
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研究分担者 |
関 庄二 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (00432112)
野上 真紀子 富山大学, 附属病院, 助教 (30750202)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 関節軟骨 / 分化 / 再生 |
研究実績の概要 |
関節軟骨表層細胞の運命の解明のために、まず関節軟骨細胞そのもののlineageをtraceすべく、Col11a2-CreER; R26-stopflox-EYFPマウス(Col112a-YFPマウス)を作製した(CiRA妻木研究室、箭原康人特別研究学生)。このマウスではCol11a2陽性細胞でCreが発現するが、tamoxifenの投与でCreの核内移行とloxP siteでの組み換えがおこりYFPが発現する。 まず8w齢のCol112a-YFPマウスにtamoxifenを腹腔内投与し、投与後のYFPの発現を確認した。続いて同マウスにtamoxifenを投与後、一側膝に関節軟骨変性を誘導するDMM手術、他側膝にsham手術を行った後、4、8週でYFPと軟骨細胞肥大化のメーカーであるCol10a1の発現を検討した。その結果、tamoxifen投与後4週、8週のいずれにおいてもtidemarkより上の中間層transitional zoneの関節軟骨細胞においてYFPが特異的に発現していることが確認された。続いて膝関節にDMM手術を行うと、4-8週の経過で関節軟骨の表層変性と一部軟骨細胞の肥大化が出現する。関節におけるYFPの発現をtraceすると、YFP陽性細胞がtidemarkより上の中間層、深層radial zoneの軟骨細胞に加えて、tidemark下の石灰化層の細胞にも認められた。Col10a1の発現は、radial zoneの肥大化した細胞に加えて、石灰化層内の細胞にもみ認められ、その内の一部はYFPも共陽性であった。 このことは、関節軟骨変性の進行とともに、肥大化した関節軟骨細胞が、tidemark下にinvasionした可能性、また関節軟骨深層のradial zoneの石灰化とtidemarkの上昇に働いている可能性を、lineage tracing により初めて示したものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
関節の細胞種特異的にCreを発現するマウスを種々作成予定であるが、まず関節軟骨細胞(中間層)特異的発現を有するマウスの作成とレポータ―マウスとの交配を行った後、軟骨変性下における軟骨細胞のlineageの追跡解析を行い、これは順調に進展している。一方、軟骨表層(tangential zone)細胞特異的Cre発現マウスの作製は未達成であり、これから推し進める必要があるため。
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今後の研究の推進方策 |
滑膜・軟骨表層細胞特異的にCre発現を有するマウス作成を進める。 同時に、軟骨欠損修復モデルを応用しての修復細胞のlineage tracingの解析、さらに修復促進または変性阻止に働く因子の解明を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
種々のマウスlineの作成・交配が予定より少し遅れており、動物関連経費の使用額が当初予定より少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度当初にさらにマウス系統作成と交配などを進め、使用します。
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