難病である特発性大腿骨頭壊死症の病態を明らかにすることを目的に、ステロイド受容体であるグルココルチコイド受容体(GR)の作用メカニズムを明らかにするため、愛媛大学独自技術である無細胞合成タンパク質による網羅的スクリーニング方法(2万種タンパク質)を用いて、GRと結合するタンパク質の同定を試みた。その結果、300を超えるタンパク質との結合が認められ、GRとの結合が既報であるタンパク質以外にも、転写因子やオートファジー関連タンパク質が含まれていた。このことから、ステロイド誘発性大腿骨頭壊死症の病態には、グルココルチコイドによるタンパク質分解のnon-genomic actionの関与が推察された。
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