研究課題/領域番号 |
15K15557
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
牛田 享宏 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60304680)
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研究分担者 |
野口 光一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10212127)
葭仲 潔 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (90358341)
池内 昌彦 高知大学, 医歯学系, 教授 (00372730)
川崎 元敬 高知大学, 医歯学系, 講師 (50398054)
小泉 憲裕 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (10396765)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 関節病学 / 強力収束超音波治療 / HIFU |
研究実績の概要 |
本研究では、申請者らがこれまでに研究、開発してきた痛みに関する神経科学的診断・治療法を基盤とし、高精度な集束超音波(HIFU)照射技術と融合させることで変形性関節症・脊椎症(OA)の痛みを非観血的に緩和する画期的な治療法を開発する。これまでにモデル動物に対して関節部に正確に治療用超音波を照射するためのモデル動物実験用超音波治療実験システムを構築し、実際のモデル動物に対して膝関節に対する超音波照射および組織変化評価実験をすでに開始している。これまでの具体的な研究成果として、超音波照射条件を変化させながら、関節部に正確に治療用超音波を照射することができるシステムを構築した。さらに、治療用超音波照射による膝関節部の組織的変化を神経レベルまで含めて観察・評価することができる実験系を構築し、その有効性を確認した。また、ペンシル型トランスデューサについてその1次試作および動作実験を行ない、その有効性を確認した。また、研究分担者が世話人として第14回日本超音波治療研究会 (JSTU2015)を主催し、本研究プロジェクトの構想やこれまでの研究成果について報告するとともに超音波治療分野の専門家から研究に対する貴重なフィードバックを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
既存のHIFU(MR ガイド下)治療装置による臨床応用を視野に入れたモデル動物を用いる研究を高知大学で、産総研が開発した新型プローブによるDrug Delivery 技術の基礎研究を愛知医大で行なっている。これまでにモデル動物に対して関節部に正確に治療用超音波を照射するためのモデル動物実験用超音波照射実験システムを構築し、実際のモデル動物に対して照射実験をすでに開始している。これまでの具体的な研究成果として、超音波照射条件を変化させながら、膝関節部に正確に治療用超音波を照射することができるシステムを構築した。さらに、膝関節部の組織的変化を神経レベルまで含めて観察・評価系することが可能な実験系を構築し、その有効性を確認した。また、ペンシル型トランスデューサについてその1次試作および動作実験を行ない、その有効性を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究成果を踏まえて、ひきつづき既存のHIFU(MR ガイド下)治療装置による臨床応用を視野に入れたモデル動物を用いる研究を高知大学で、産総研が開発した新型プローブによるDrug Delivery 技術の基礎研究を愛知医大で行う。代表研究者である牛田は両大学で職務を兼任しており、研究を統括する。 1)HIFU の照射条件の確立: HIFU の照射条件(周波数や出力)と組織の温度変化、関節支配神経や局所の傷害及び有痛部位周囲の炎症性神経ペプチド等の分布の変化、骨関節の変化を短期的および中期的に研究。 2)新規に開発するペンシル型トランスデューサで線維芽細胞に神経栄養因子のアンチセンスを侵害受容器に炎症性神経ペプチド、プロテアーゼ活性化受容体のアンチセンスを局所へ高精度にDrugDelivery するための基盤技術を開発する。 3)HIFU 技術によるアンチセンスのDrug Delivery により、骨・関節の機能を損なうことなくOA モデル動物の痛みを行動学的および神経病理学的に制御するための基盤技術を開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験中に既存の衝撃波測定用ハイドロフォンが故障のため購入。申請時に購入予定であった超電波振動子(ジャパンブローブ製)の予算額より安かったために計画時の所要額の余剰が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は実験時の消耗品や、研究打ち合わせに対する旅費、研究成果発表などに使用予定である。
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