研究課題
研究の概要:骨肉腫(OS)を始めとする骨軟部腫瘍患者の予後は、肺転移により最も大きく左右される。最近、転移成立過程における転移巣での生着、増殖の役割が大きくクローズアップされている。我々は、H25-26年度の挑戦的萌芽研究(課題番号25670661)を行う過程で、我々の研究室で樹立したマウス骨肉腫高肺転移株(LM8)を同種同所移植後、循環腫瘍細胞(CTC)を生きたままで培養することに世界で初めて成功、CTCを原発巣のLM8と比較しCTCの方が高いanti-anoikis活性を有し浮遊培養条件下でも増殖することを報告した。さらに肺という原発巣と異なる環境下における腫瘍細胞の増殖にstiffnessの異なる条件下での3次元増殖にVEGFが重要な役割をする事を見いだした。本研究目的は、転移先を標的とした新規抗転移治療の臨床応用への道筋を開くことである。研究の方法:骨軟部腫瘍症例(原発巣、転移巣)から我々が樹立した細胞株を用いて、in vitroの3次元培養系を用いて、種々の分子標的治療薬の増殖、形態、運動能に与える影響を検討、細胞内シグナルを生化学的に検討、また免疫不全マウスを用いた動物実験を行い薬効評価する。我々が以前樹立したマウス骨肉腫細胞株(LM8)を用いて、新規薬物(生薬等を含む)の転移に対する効果を、in vitro, 同種マウスを用いた動物実験で検討す。、今年度の実績:主として、共同研究先である大阪大学医学部整形外科との研究で新規分子標的治療薬(Trabectedin)の滑膜肉腫細胞に対する効果を、京都府立大学との研究でLM8を用いた実験を行い、漢方薬(Daphnectin)の骨肉腫肺転移に対する効果を、また九州大学と北里大学薬学部との共同研究でLM8を用いた実験を行い、漢方薬(麻黄)の骨肉腫肺転移に対する効果を検討し各々論文発表を行っている。下記研究発表の項参照。
3: やや遅れている
1. 研究機関を異動することになり、成人病センター研究所から、野崎徳州会病院に新設される研究所へ異動することになり、その設計、準備等に多くの時間が費やされ、思ったほどに動物実験を含む実験が出来なかった。その代わりに、大阪大学医学部整形外科の大学院生と共同研究を行い、患者樹立骨軟部腫瘍細胞を用いた実験は、大阪大学医学部の方で主として行ない、毎月1回水曜の夜に合同の研究 meetingを行い、実験結果のdiscussion, 論文執筆の指導等を行った。成果は国際誌に論文発表した。2. 2015年7月22-24日にに全国規模のがん転移の学会(日本がん転移学会)を、大阪(City Plaza Hotel)で開催した。海外より2名、日本全国より250名ほどのがん転移の研究者が集まり、多くの研究成果を交換し合えた。大学ではない研究施設で主催したため、学会の準備、運営等に多くの時間を割かれたが、獲得できたものは、非常に多かった。3. 2016年7月に開設予定の、野崎徳州会病院(研究所)~現在科学研究費補助金認定施設へ登録申請中に、小動物(ラット、マウス)用のCTを(患者さんからの寄付により)導入出来るので、稼働できしだい、LM8の肺転移巣における微小変化(線維化)をreal timeに経時的に捕らえることが出来ると考えられ、研究の進展が大いに期待される。そのため、研究費を次年度にかなり持ち越した。
2016年7月に開設予定の、野崎徳州会病院(研究所)~ごく最近科学研究費補助金施設に認定~に、小動物(ラット、マウス)用のCT( Hitachi製作所社製 Latheta LCT-200)、を(患者さんからの寄付により)導入出来るので、稼働できしだい、LM8の肺転移巣における微小変化(線維化)をreal timeに経時的に捕らえることが出来ると考えられ、研究の進展が大いに期待される。新研究所はクレア社に依頼して十分な設備の整った動物実験施設を含む6F建ての建物が2016年7月完成予定で、現在の研究メンバーに加え、私共のlab出身で米国に留学していた小児科の由井Drや阪大整形外科出身のDrsもの研究所に参入してくれる事が決まっており、画像による詳細な検討と共に、分子生物学的、生化学的な解析が十分出来ると期待される。そのため、研究費を次年度にかなり持ち越した又、共同研究先である大阪大学、京都薬科大学、九州大学、北里大学の研究者とは、前述した日本がん転移学会で知り合った仲間で、転移に対する新規治療法の開発という共通のテーマで真摯に共同研究を行っており、将来の研究の進展が期待される。研究成果は、日本がん転移学会や日本癌学会で発表すると共に、隔年開催される国際転移学会(2016年9月、中国成都)で口頭発表する予定である。
研究部門の異動に伴い、、
2016年7月に開設予定の、野崎徳州会病院(研究所)~ごく最近科学研究費補助金施設に認定~に、小動物(ラット、マウス)用のCT( Hitachi製作所社製 Latheta LCT-200)、を(患者さんからの寄付により)導入出来るので、稼働できしだい、LM8の肺転移巣における微小変化(線維化)をreal timeに経時的に捕らえることが出来ると考えられ、研究の進展が大いに期待される。新研究所はクレア社に依頼して十分な設備の整った動物実験施設を含む6F建ての建物が2016年7月完成予定で、現在の研究メンバーに加え、私共のlab出身で米国に留学していた小児科の由井Drや阪大整形外科出身のDrsもの研究所に参入してくれる事が決まっており、画像による詳細な検討と共に、分子生物学的、生化学的な解析が十分出来ると期待される。そのため、研究費を次年度にかなり持ち越した。
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Journal of Chemotherapy
巻: e-pub ahead of print ページ: 1-8
10.1080/1120009X.2015.1133013
BBRC
巻: 471(1) ページ: 63-37
10.1016/j.bbrc.2016.01.179
International Journal of Oncology
巻: 48(5) ページ: 1895-1906
10.3892/ijo.2016.3426